おお、勇者よ!!!
おお、勇者よ、よくぞ参られた。
何の用かな?
冒険の書に記録する。
おお、では今までの冒険を、この書に書きなされ。
ん〜…、できない。
なんと!なぜ出来ないと申されるか。
もしや、装丁が気に入らなかったのかね?
…いや、違うし。
なんと!では体裁が気に食わなかったのだな。
それでは。第二の冒険の書に記録すれば…
や、違うって!
なんと申された?違うですと?
それでは、とにかく第三の冒険の書に記録なされ。
第二とか第三とか関係無しに!できないのです。
おお、神よ!哀れな子羊に御加護を!
ていうか、話そらさないで。
…ではどうすれば良いというのだ。
あ、素に戻ってる。
質問を変えよう。なぜ、冒険の書に記録できないのだ。
仕方がない、答えましょうか?
…ぴきっ。何を偉そうに!
このわたしがいなければ冒険の記録もできない分際でぇえ!
あ、切れた。
なにが勇者だよ、お前なんて魔王に秒殺されろ!
いや、瞬殺だな、一秒も持たずに逝ってしまえ!!!
神様、ここに人外がいます…。
そんな神様だけに記録出来ない理由をこっそりと。
冒険が長すぎて、今まで起きたことを思い出せないのです。
じっくり考えれば思い出せそうなのですが…
今は時間があまりないので、冒険の書を持って帰って
ゆっくり書いてみますね。
…それにしても、この第三の書、一番センスないデザインだな!ぷぷ。
ピカッ!ピシャーーーン!!(雷鳴音)
あれだけ努力してつくったオリジナル冒険の書を
ばっさり斬りやがってぇぇええ!!
しまった!これは神父が作ったものだったのか!
(続く)